「転職エージェントに利用を断られた」「断られた後、どうしたらいいんだろう」と悩んだ経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
また「エージェントを利用してみたいけど、断られるのが怖い」と思っている方もいるかもしれませんね。
そこで今回は転職エージェントの利用を断られた経験がある男女121人にアンケート調査を実施。
- 調査対象:転職エージェントの利用を断られた経験がある方
- 調査日:2021年10月6日~23日
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 調査人数:121人(女性66人/男性55人)
「転職エージェントに断られた理由」や「断られた後の対処法」を聞いてみた結果に対して、回答数が多い順にランキング形式で紹介しています。
転職エージェントに断られた理由ランキング【121人に聞いてみた】
まず転職エージェントの利用を断られた経験がある男女121人に「転職エージェントに利用を断られた理由はなんですか?」と聞きました。
回答数上位7位までをランキング形式で紹介します。
「転職エージェントに利用を断られた理由」、ランキング第1位は「スキル・経歴が不足」でした。
2位以下は「希望する求人がない」「年齢が高め」と続きます。
大きく「希望条件が理由で断られたケース」と「本人の経歴・スキルが理由で断られたケース」にわかれました。
全体的に見ると「本人の経歴・スキルが理由で断られたケース」のほうが多くなっています。
またランク外には少数ですが「エージェントが多忙で対応できない」など、転職エージェント側の事情が理由で断られたケースもありました。
では具体的な回答を紹介します。
1位 スキル・経歴不足から断られた
1位は121人中41人が回答した「スキル・経歴が不足から断られた」です。
「年齢に対しての職務経験が少なかったから」「際立つ資格や経験がなかったから」という声が寄せられました。
スキル・経歴が足りていないと、転職エージェントが採用側企業に紹介しても、不採用になる可能性が高いです。
転職が成功しないと転職エージェントには報酬が入りません。
そのため転職エージェントは「高スキルで転職が成功しそうな人」を優先的にサポートし、「スキル・経歴が足りない」と感じた人の利用は断るわけですね。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- メールで「相手先が求めるスキルを持っていないので紹介できません」と言われた(男性、利用時25歳)
- マネジメント経験がなかったから(男性、利用時32歳)
- スキルが少ないからです(女性、利用時40歳)
スキル・経歴不足で断られないためには、希望する職種や業界に見合ったスキルがあるか事前に確認しておきましょう。
事前にチェックしておくことで、転職のタイミングや利用する転職エージェントの選び方を判断できるからですね。
スキルや経歴が足りない人が身につけてからの登録も良いですが、未経験者や経験の浅い求職者にも対応してくれる転職エージェントへの登録もおすすめです。
未経験者の転職支援に強い「ハタラクティブ」や「DYM就職」をチェックするといいでしょう。
2位 希望する求人がなくて断られた
2位は「希望する求人がなくて断られた」と121人中24人が回答しています。
具体的には「職種」「休日」「勤務地」などの希望が合わず、利用を断られたケースが多く見られました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 「私が住んでいる県だと紹介できる企業がない」とメールが来ました(女性、利用時24歳)
- 「希望職種の求人がないので、当社では紹介できない」と言われて断られた(男性、利用時39歳)
- 「希望条件に合う仕事が見つからない」と言われました(男性、利用時50歳)
希望する求人がないという理由で断られないためには、希望条件をゆるくしたり、希望の幅を広げておくといいでしょう。
あなたが提示する希望条件を20個~30個と設定した場合、果たしてピッタリの求人を紹介してもらえるでしょうか。
登録時は詳細まで条件設定しないほうが、該当求人が見つかる可能性も高くなり断られにくくなりますよ。
条件を控えめにしていても「希望する求人がなく紹介できない」と断られたら、別の転職エージェントをあたってみましょう。
希望の職種や業界、地域などによっては、特化型の転職エージェントを利用したほうがいいケースもあります。
例えば「看護師」「薬剤師」「エンジニア」などが挙げられます。
職種特化型や地元密着型など、さまざまな転職エージェントがあるので視野に入れてみてくださいね。
3位 年齢が高めなのが理由で断られたと感じる
3位に入ったのは121人中14人が回答した「年齢が高めなのが理由で断られたと感じる」です。
「はっきりとは言われなかったが、年齢が原因だろう」と感じた人も多くなりました。
「利用に年齢制限はない」というエージェントがある一方、「若手向け」「ミドル向け」など得意とする年齢層をもつエージェントもあります。
例えば50代の人が「若手の転職サポートを得意とするエージェント」を利用しようとすると、「見合う案件がない」と断られてしまう可能性が考えられます。
ただ採用活動自体は人物本位で行われるものとされ、一部の例外を除き年齢制限を設けることは認められていません。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 明確な説明はなかったが、年齢が影響していると感じた(男性、利用時53歳)
- わからないですが「年齢かな?」と思います(男性、利用時34歳)
- そのエージェントで紹介できる案件がないと言われました。自分では年齢を理由に断られたのだと感じます(女性、利用時45歳)
年齢で断られる心配がある人は、年代に合った転職エージェントを活用しましょう。
「カバーする年齢層が広い転職エージェント」「ミドル・シニア層に力を入れているエージェント」なら、サポートしてもらえる可能性があります。
20代~30代の需要が高い転職市場ではあるものの、最近ではマネジメント経験やスキルの高い40代以降の需要も高まっています。
幅広い年代の転職支援を行っている「doda」や、30代~50代のハイクラス・ミドルクラス転職に特化した「JACリクルートメント」などをチェックしてみてはいかがでしょうか。
4位 未経験業種・職種への転職が難しくて断られた
4位は121人中12人が回答した「未経験業種・職種への転職が難しくて断られた」となりました。
「管理栄養士からデスクワークへ」「未経験からIT企業へ」「編集から事務へ」などの希望を伝えたところ、断られてしまったという体験談が寄せられています。
未経験業種・職種への転職ですと、当然スキル・経歴は少なくなってしまいます。
そのため「未経験分野への転職」のサポートに力を入れている転職エージェントでないと、お断りされる可能性が高いようです。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 未経験の業界への転職を希望していたが、その転職エージェントは実務経験者のみを対象としていたと思われる(男性、利用時24歳)
- 販売職から事務職への転職希望だった。事務職に必要な資格は持っていたのだが、実務経験がないから断られた(女性、利用時29歳)
- 未経験の業界を希望したのですが、一般的にエージェントからの紹介は経験者のキャリアアップがメインとなるそうで「ジョブチェンジとはまた違う」とのことでした(男性、利用時37歳)
未経験業種・職種への転職を目指す人は、業種や職種に特化した転職エージェントをチェックしてみてください。
それぞれの業種・職種において幅広い求人を保有しているため、未経験歓迎の案件を紹介してもらえる可能性があるからですね。
また、転職エージェント側から企業へ、未経験者のポジションはないか打診してくれる場合も。
職種・業界ともに未経験の仕事を目指すのが厳しい場合は、「営業職の経験を活かして未経験の業界を目指す」といったカタチで、どちらかの経験があることをアピールするのもいいでしょう。
5位 転職先への希望条件を厳しく設定しすぎて断られた
5位は121人中9人が回答した「転職先への希望条件を厳しく設定しすぎて断られた」となりました。
「希望職種と希望報酬が見合っていないと言われました」「理想が高すぎると言われてしまった」という人も。
いわゆる「高望み」「希望条件が多すぎる」という状態ですね。
とくに「未経験業界で管理職になりたい」「現在の収入とはかけ離れた年収額を求める」といった条件ですと、転職エージェントからは断られやすくなります。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 私の提示した条件が厳しすぎて、紹介できるお仕事がなかったのだと思います(女性、利用時25歳)
- 自分の希望する求人があまりにもハイクラスな求人だったから(男性、利用時35歳)
- 希望をたくさんお伝えしてしまったので「そのような案件はない」と断られました(女性、利用時41歳)
転職エージェントを利用する前に、自分の市場価値を確認してみましょう。
自身の価値を理解した上で希望条件を決められ、高望みを回避できるからですね。
希望条件に優先順位をつけて、「最低でもこの条件を満たしている転職先であればOK」といったように、妥協点を決めておくのもいいのではないでしょうか。
どうしても希望条件が譲れない場合や納得できないときは、ほかの転職エージェントに相談してみるのもアリですよ。
希望年収については、転職エージェントなどが用意している「適正年収査定」が参考になります。
dodaの「年収査定」や、パソナキャリアの「年収査定シュミレーション」などを使ってチェックしてみてください。
6位 転職回数が多いことを理由に断られた
6位は121人中7人が回答した「転職回数が多いことを理由に断られた」でした。
はっきりと理由を告げて断られた人も、遠回りに説明された人もいました。
とくに短期離職を繰り返している場合には、転職エージェントに「紹介してもすぐ辞めそうだな」と思われてしまうため、企業に紹介してもらいにくくなります。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 20代なのに転職経験が多すぎる点と、キャリアに一貫性がない点から嫌な顔をされてしまいました(女性、利用時26歳)
- はっきりとは言われなかったけど、職歴の多さが原因だったと思う(男性、利用時32歳)
何回も転職を繰り返している人は、一貫したキャリアプランに基づいて転職していることをアピールしましょう。
前向きな理由かつ転職するごとにスキルを伸ばしていれば、転職エージェントも転職を支援してくれます。
転職エージェントに登録する際は、「面談で話を聞いてみたいな」と思ってもらえるよう、職務経歴書や自己アピールに詳細な内容を記載しておくといいですよ。
一貫性のない短期間の離職が続いているなら、今の仕事でスキルや経験を積んでからの転職がおすすめです。
7位 体調面に不安があることを理由に断られた
7位は121人中6人が回答した「体調面に不安があることを理由に断られた」です。
持病・既往歴など体調面での不安を転職エージェントに伝えたところ、利用を断られたという回答が寄せられました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- (病気療養後に職探しを開始したところ)「すぐに辞められる可能性があるので…まずはパートで、働く体力をつけてからの方が良いのでは?」と言われた(女性、利用時27歳)
- 「持病があっては無理だから」といわれました(男性、利用時30歳)
体調面に不安がある人は、「既往歴に応じたサポートをしてくれるエージェント」や「転職サイト」「ハローワーク」経由の転職を検討してみましょう。
持病や既往歴がある人については「エージェント経由では採用をしない」という企業も。
理由として、エージェント経由で採用した社員がすぐに退職してしまった場合、エージェントに支払った成功報酬が無駄になってしまうからですね。
持病などで障害者手帳を取得している方は、「dodaチャレンジ」や「DIエージェント」などの障害者専門の転職支援サービスをチェックしてみてください。
転職エージェントに断られた後の対処法ランキング
転職エージェントに断られた後の対処法について聞いたところ、回答は以下のようになりました。
上位5位までを紹介します。
ランキング1位になったのは「他のエージェントを利用」で、全体の4割以上を占めました。
2位以下は「転職サイトを利用」「ハローワークを利用」と続きます。
全体的に見ると、転職活動自体は継続しつつ「利用する窓口を変えた」人が多数となりました。
6位以下にも「派遣会社に登録」「企業に直接応募」「コネを利用」などが入っています。
また少数ながら「資格の勉強を始めた(2人)」など、スキルアップに取り組んだ人もいました。
ではそれぞれの行動をとった理由について、具体的な回答をもとに紹介します。
1位 他のエージェントを利用する
「転職エージェントに断られたあとの行動」第1位は、121人中51人が回答した「他のエージェントを利用する」となりました。
「異業種転職での利用を断られたが、業界が違っても活かせるスキルはもっていると自信があったから」などの回答が寄せられる結果に。
他のエージェントを選ぶ際に気をつけたこととして「希望職種に特化したエージェントを探した」「担当者の感じがよいところにお願いした」などが挙がりました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 他の転職エージェントでは、未経験のエンジニアを募集していたため(男性、利用時23歳)
- その転職エージェントは私には合わないと思ったため(女性、利用時30歳)
- とにかく転職したかったですし「他の転職エージェントには希望条件にマッチした求人があるのでは」と思ったからです(男性、利用時38歳)
1社に断られたからと諦めず、ほかの転職エージェントを探してみてはいかがでしょうか。
体験談からわかるように、ひとつの転職エージェントで断られても、他のエージェントでは対応してもらえるケースが多々あります。
転職エージェントによって、ターゲットや強みも違うので、ぜひ自分に合った転職エージェントを見つけてくださいね。
2位 転職サイトを利用する
2位は121人中31人が回答した「転職サイトを利用する」です。
「転職サイトのほうが、能力や経験が足りなくても受け入れてくれる企業が多いと感じた」などの回答が寄せられています。
「(断られた)転職エージェントから、転職サイトの利用をすすめられた」という人も複数いました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- エージェントを通さない通常の求人だと「未経験可能」「第二新卒OK」の求人も豊富にあったため(男性、利用時23歳)
- 転職エージェントを利用するよりも自分のペースで進める方がいいと思ったから(女性、利用時32歳)
- エージェントの方から「エージェントを通さない求人に自分で応募する方法がある」とアドバイスをいただいたので登録してみました(女性、利用時43歳)
転職エージェントに断られた人は、「マイナビ転職」や「はたらいく」などの転職サイトを活用しましょう。
転職サイトだと、転職エージェントのように細やかなアドバイスや面接指導などは受けられませんが、上記2サイトには以下のサービスがあります。
- マイナビ転職(プロによる『履歴書添削』や『面接対策』)
- はたらいく(レジュメ作成のお助けツール『レジュメのちかみち』)
また、ほかの転職サイトにも、転職活動に使えるコンテンツやノウハウが充実しているので色々とチェックしてみてください。
3位 ハローワークを利用する
3位に入ったのは121人中30人が回答した「ハローワークを利用する」です。
「地元での転職なら、地元の情報から探した方がよいと考えた」などの回答が寄せられました。
希望勤務地が原因で転職エージェントに断られた人にとっては、有効な選択肢のひとつと言えますね。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- ハローワークなら、実務経験がなくても採用してもらえる求人があると思ったから(女性、利用時29歳)
- 地元での仕事を探せると考えました(女性、利用時39歳)
- ハローワークならば、親身になって相談にのってもらえると思ったからです(男性、利用時44歳)
ハローワークにも転職エージェントに似たサービスがあります。
相談員に相談が可能で、応募書類の作成や面接の受け方などが相談できる「個別相談支援」などが受けられるハローワークも。
(参照:ハローワークあべの)
また、全国各地にあるハローワークは地元企業の求人を豊富に扱っているので、転職サイトに地元の求人がない場合などにも使えます。
「一人で転職活動を進める自信がない」という人は、ハローワークを利用してみてくださいね。
4位 転職そのものをあきらめた
4位にランクインしたのは121人中14人が回答した「転職そのものをあきらめた」です。
転職エージェントから利用を断られて転職へのモチベーションが低下し、転職自体をあきらめた人もいることがわかりました。
また「もう少し頑張ろうと思ったから」など、エネルギーの方向を「現在の仕事」に転換した人も。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 職務経験を積んでから転職活動を再開しようと思ったから(女性、利用時20歳)
- プロが探せない求人を、自分のような素人が探せるとは思わなかったから(男性、利用時25歳)
- 意欲がなくなってきたから(男性、利用時46歳)
どうしても転職したい場合は、諦めずに転職サイトやハローワークを利用しましょう。
転職エージェントに断られたとしても、サポートが受けられないだけで転職できないわけではありません。
しかし「現職でもう少し頑張ってみてもいい」「転職にはまだ早い」と思ったなら、現職で職務経験を積み、のちのち転職に再チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
5位 転職先の希望条件を変えた
5位は121人中7人が回答した「転職先の希望条件を変えた」が入りました。
具体的には「業種」「職種」「雇用形態」の希望を変更した人が多くなりました。
希望条件の変更は、紹介してもらえる求人を増やすための有効な方法です。
また回答では「希望条件を変えると同時に、エージェントや利用窓口も変えた」という人がほとんどでした。
「他の転職エージェントの人としっかり面談して、当初の希望業種をあきらめた。自分のやりたいことがあらためてわかった」という体験談もありました。
以下、実際に寄せられた回答を紹介します。
- 未経験で事務職の仕事を探すのは難しいと感じ、「雇用形態を問わず、事務の仕事に就けること」を第一に考えたから(女性、利用時22歳)
- 自分で経験のある職種なら、仕事を紹介してもらえそうだったから(女性、利用時44歳)
希望条件を変える場合、「業種」「職種」「雇用形態」を変えてみましょう。
今回のアンケートの回答でも、上記条件を変えている人が多かったからですね。
希望条件を緩和したり、優先順位をつけるのもおすすめです。
高望みさえしなければ、紹介可能な求人の幅も広がるので、ほかの転職エージェントを利用する際はぜひ試してみてください。
転職エージェントに断られた理由と対処法の調査結果まとめ
転職エージェントの利用を断られた経験がある男女121人を対象にアンケートを実施したところ、「転職エージェントに断られた理由」第1位は「スキル・経歴が不足」でした。
いわゆる「スペック」が理由で断られたケースが多くなっています。
「転職エージェントに断られたあとの対処法」第1位は「他のエージェントを利用」。
ひとつの転職エージェントに断られても、他のエージェントでは求人を紹介してもらえる可能性はあります。
転職エージェントに断られると「自分にはビジネスパーソンとしての魅力が少ないのかな」と落ち込んでしまいますが、実は「転職エージェントの守備範囲ではなかった」だけのこともあるのです。
希望職種や経歴にあった転職エージェントを探してみましょう。