パートで働きたいと考えている主婦の中には、「配偶者の扶養内で働ける仕事」を探している人も多いでしょう。
扶養内で働く場合、どのような仕事なら働きやすいのでしょうか。
今回は扶養内でパートをしている女性341人にアンケートを実施。
- 調査対象:扶養内でパートをしている女性
- 調査期間:2022年8月23日~9月9日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:341人
- 回答者の年代:20代 19.6%/30代 45.0%/40代 24.0%/50代以上 11.4%
回答数の多かった順にランキング形式で紹介しています。
「扶養内のパートで働くのにおすすめの仕事」や「満足度」について聞きました。
扶養内のパートで働きたい主婦におすすめの仕事ランキング
扶養内でパートをしている女性341名に「扶養内のパートで働くのにおすすめの仕事」を聞いたところ、回答は以下のようになりました。
1位になったのは「飲食店スタッフ(61人)」です。
2位「事務職(60人)」、3位「スーパーのレジ・品出し(50人)」、4位「製造・軽作業スタッフ(33人)」と続きます。
以降、5位「コンビニ店員(22人)」、6位「テレホンオペレーター(20人)」、7位「清掃スタッフ(14人)」の結果となりました。
「飲食店」「スーパー」「コンビニ」などの接客業が多くランクインしています。
接客業の現場ではシフト制で働くことが多く、短時間勤務でも歓迎してもらえるからでしょう。
接客業では他に「ドラッグストア(8人)」を挙げた人もいました。
また「製造・軽作業スタッフ」「テレホンオペレーター」など、スタッフ数が多く休みやすい職場もランクインしています。
では具体的な回答をもとに、「それぞれの仕事が扶養内パートにおすすめな理由」を紹介していくので参考にしてみてください。
扶養内のパートで働きたい主婦におすすめの仕事1位 飲食店スタッフ
- 大手ファストフードチェーン。1週間ごとのシフト提出なので予定を管理しやすく、子どもの病気が理由の急なお休みもサポートしてくれる(27歳)
- カフェ店員。幅広い年齢層が働いているので、扶養内勤務など時間の融通が利きやすいです(29歳)
- 飲食店のランチタイムのホール。残業がなく、短時間勤務可能な飲食店が多いからです(37歳)
1位は「飲食店スタッフ」です。
飲食店は「ランチタイムのみの募集」「仕込みのみの募集」なども行っているので、短時間勤務が可能で、扶養内で働きたい人に向いています。
また扶養内で働きたい人の中には「子育て中」という方も多いでしょう。
シフトが柔軟でスタッフ数も多い飲食店であれば、子ども都合の急な休みをとりやすいのでおすすめです。
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扶養内のパートで働きたい主婦におすすめの仕事2位 事務職
- 商工会議所や団体の事務。週3日ほどで1日4~6時間勤務の仕事が多いので、家事の負担にならず働けます(31歳 女性)
- 県庁の会計年度任用職員。勤務時間が固定なので残業がなく、年間収入が扶養範囲内になると確定している(33歳)
- 一般事務や事務補助。「扶養範囲内を超えてしまうので、今年はもうシフトに入れません」が通じるので。扶養内で働いている人が多い職場だと、理解されやすい(44歳)
「事務職」が2位。
パート事務であれば、「扶養範囲内が前提」の募集が出ていることも多いですね。
残業がない職場なら、「残業が増えて扶養の範囲内を超えてしまうかも」とドキドキすることもありません。
体力的にもラクなので、体力に自信がない人や「帰宅後は家事や育児が待っている」という人も働きやすいはずです。
なお「クリニックなら午後だけ、午前だけの勤務ができる」などの理由で「医療事務(10人)」も9位に入っています。
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扶養内のパートで働きたい主婦におすすめの仕事3位 スーパーのレジ・品出し
- スーパーの品出し。開店前の品出しが多く、午前中で終わることが多いから(35歳)
- スーパーなどのレジ。シフト制なので扶養内で納まるよう調整しやすい(39歳)
- 家庭をもつ女性が多く、いざという時の休みや時間変更に理解が得られます(55歳)
3位は「スーパーのレジ・品出し」。
スーパーも「シフト制」「扶養内で働く人が多い職場」なので、扶養内で働きやすくなっています。
「レジ」「惣菜調理」「品出し」など担当が分かれているので、やりたい仕事を選べるのもメリットです。
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扶養内のパートで働きたい主婦におすすめの仕事4位 製造・軽作業スタッフ
- 倉庫でのアパレル製造作業。残業なしなので扶養内におさまる。休みやすい(27歳)
- 工場。人が多く、お休みの融通も利く(39歳)
- 食品加工工場。融通が利くので、扶養控除範囲を超えそうになったら休みを増やしたり早上がりさせてもらえたりする(42歳)
4位は「製造・軽作業スタッフ」。
製造・軽作業の現場はスタッフ数が多いため、シフトの融通が利き、休みをとりやすいのがメリットです。
単純作業が多く仕事を覚えやすいので、短期・単発で空いている時間だけ働く人もいます。
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扶養内のパートで働きたい主婦におすすめの仕事5位 コンビニ店員
- 募集してるところが多く働きやすい(27歳)
- 家庭の都合に合わせて時間帯や曜日でシフトを組めるため(41歳)
- 人手不足のコンビニが多く、短時間勤務でも来てほしいという雰囲気がある(46歳)
5位は「コンビニ店員」でした。
短時間勤務ができるコンビニも多く、扶養内で働きやすいと感じる人が多いようです。
コンビニはどこにでもあるので、家の近くで働けるのもメリットですね。
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扶養内のパートで働きたい主婦におすすめの仕事6位 テレホンオペレーター
- シフトの融通がききやすい。高時給な職場が多いので、短い勤務時間で働ける(24歳)
- 割とシフトが自由なので、子どもが急きょ熱を出したときも代わりを探さずに休める(30歳)
- 時間帯や曜日を自分の都合に合わせて自由に調整できるから(41歳)
6位は「テレホンオペレーター」でした。
「スタッフが多いので休みやすい」「時給が高く、短い勤務時間で稼げる」ことをおすすめポイントとして挙げた人が多くなっています。
在宅ワークでテレホンアポインターをしている人からは「勤務時間は1時間から3時間ぐらい」という声も。
ただ「コールセンターはクレーム対応でストレスが多そう」と心配する人もいますね。
職場によりますが「通販の受付センター」や「法人専用コールセンター」なら、クレームは比較的少ないのでおすすめです。
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扶養内のパートで働きたい主婦におすすめの仕事7位 清掃スタッフ
- 人数がそれなりにいるため、家族の急病などで急に休まなくてはならない時でも、代わってくれる人がいる(32歳)
- 病院の清掃。残業なしで土日祝日は休みなので、家族と休日があいます。扶養内の短時間勤務ですと、さほど身体への負担もかかりません(38歳)
- ホテルの客室清掃。チェックアウトからチェックインまでの時間内なので、短時間働くのにちょうどいい。時給が高い(40歳)
7位は「清掃スタッフ」でした。
清掃業務は比較的短時間のお仕事なので、扶養内で働きやすいのが特徴。
同僚の多い職場であれば、休みたいときもお互いに協力できます。
一方で作業中は一人になることが多いため、仕事中に人間関係の煩わしさを感じたくない人には、清掃スタッフのお仕事はおすすめです。
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扶養内パートを検討している人は、上記ランキングの中から自分にできそうな仕事を選んでみてください。
おすすめランキングに挙がっている仕事の中には、人によって「向き」「不向き」があるからですね。
例えば、接客が苦手な人は「飲食店スタッフ」「スーパーのレジ」「コンビニ店員」などは苦痛に感じてしまうかもしれません。
オーダーミスやレジの打ち間違えなどが起こっても、接客スキルがないとクレーム対応もうまくこなせない可能性が。
また、ずっと座っているのが苦手な人には、「事務職」や「テレホンオペレーター」は向かないと言えます。
扶養内パートとして長く働きたい人は、これまでの職歴や得意なことが活かせる仕事を選ぶと長続きするでしょう。
扶養内で働くことに満足している人は77.1%
扶養内でパートをしている女性341名に「扶養内で働くことに満足しているか」と聞いたところ、回答は以下のようになりました。
「まあ満足している」「満足している」と答えた人が、合わせて77.1%となっています。
多くの人が扶養内で働くスタイルに満足しているとわかります。
プライベートを大切にしながら働くことが「ライフスタイルに合っている」と考える人も多いのでしょう。
では「満足している理由」「不満な理由」について、具体的な回答をもとに紹介していくのでチェックしてみてください。
扶養内で働くことに満足している理由
- お小遣い稼ぎになるので、生活費が潤います(28歳)
- 正社員で働く方が給料は高いですが、晩ご飯を作るのが面倒になってお惣菜を買うことや外食が増えてしまうと思います。短時間で働き、節約する方が自分には合っていました(32歳)
- 夫の給料のみで生活費は十分ですが、私がパートをすればさらに貯金できるからです(40歳)
- 稼げば稼ぐほど税金を持っていかれてしまうので、今くらいがちょうど良いです(41歳)
- 時間に余裕ができ、家事もちゃんとできるから。趣味の時間ももてるから(54歳)
扶養内で働くことに満足しているという人からは「税金の負担減」のほか、「時間的な余裕」についての回答が多く寄せられました。
正社員・フルタイムで働いた経験がある人はとくに、「フルタイム勤務とプライベートを両立するのはツライ」「子どもが小さい時期のフルタイム勤務はキツイ」と感じるのかもしれません。
また配偶者の収入で十分生活していけるという人からは、「パート代を自分のお小遣いや貯金に回せるのが嬉しい」という意見もありました。
扶養内で働くことに不満な理由
- もっとお金を稼いで、好きなものを購入したいから(24歳)
- 本当はもっと仕事して、ちゃんとした収入を得たい。夫の収入だけでは不安で、自分の使えるお金がほとんどないため(25歳)
- 本当は社会保険ありの職場でしっかり働きたい。しかし扶養を外れても元が取れる「年間160万円以上働けるパート」を見つけるのが難しい(37歳)
- 扶養の枠に制限されて稼げないので(40歳)
- 収入を扶養内におさめるために、年末は作業を制限する必要があるので、調整が大変(52歳)
不満をもっている人からは「扶養内の収入では少ない」というコメントが多く寄せられました。
本音ではもっと働いて収入を増やしたいものの、税金や働ける時間の都合上、扶養内パートで働かざるを得ない人も多いとわかります。
また「扶養内におさめるために、年末は勤務を調整しなくてはいけないのが面倒」という声も複数ありました。
「時給が上がったら、扶養の範囲内におさめるため勤務時間を減らさないといけない」というケースも。
仕事を評価されて時給アップを達成しても、結局年収が増えないのは悲しいですよね。
「パートでもある程度は稼ぎたい」という人には、扶養内パートという働き方はおすすめできません。
扶養内パートをする場合、「年収130万円」「年収103万円」などの壁を超えないように働く必要があるからですね。
以下は、年収の壁を超えた場合の影響一覧です。(※2023年2月25日時点)
超えた場合 | |
年収100万円の壁 | 住民税がかかる。(※自治体により年収額は異なる) |
年収103万円の壁 | 所得税が発生する。夫が配偶者控除を受けられない。 |
年収106万円の壁 | 一定の条件を満たした場合、パート先の社会保険へ加入。 |
年収130万円の壁 | パート先の社会保険または国保に加入。 |
年収150万円の壁 | 夫の配偶者特別控除が段階的に減る。 |
年収201万円の壁 | 夫が配偶者特別控除を受けられる上限。 |
多くの人が「年収130万円の壁」を気にしているのではないでしょうか。
年収130万円の壁とは、「社会保険上の扶養」になるかどうかの境界です。
年収が130万円を超えてしまうと、夫の扶養を外れて、パート先の「社会保険」、パート先が社会保険の加入対象でない場合「国民健康保険」への加入が必要に。
自分で社会保険を負担することになるため、手取りが減ってしまいます。
パート先の「企業規模」や「勤務時間・日数」、などいくつかの条件を満たしている場合、『年収106万円の壁』にも気を付けなくてはいけません。(※2024年10月に加入条件が拡大されます。)
さらに、夫が配偶者控除を受けられる上限の『年収103万円の壁』、配偶者特別控除が満額受けられなくなる『年収150万円の壁』もあります。
扶養内の収入に不満がある人は、コメントにもあったように、扶養を外れても損をしない収入が得られるパートを見つける必要があるでしょう。
詳しくは、国税庁の「配偶者控除」「配偶者特別控除」や、厚生労働省の「社会保険適用拡大ガイドブック」などをチェックしてみてください。
扶養内で働けるパート仕事のおすすめな探し方
扶養内で働けるパート仕事を探すなら、「扶養内勤務」「週3日勤務」といった条件で検索しやすい求人サイトを使いましょう。
求人サイトのタイプ別に紹介します。
- 大手アルバイト情報サイト
- 主婦特化型の求人サイト
- 求人のポータルサイト
ハローワークや紙媒体の求人誌でもパートは探せますが、利用に登録が必要だったり絞り込みができなかったりして、少し不便。
そのためこの記事では手軽な求人サイトをおすすめします。
扶養内で働けるパート仕事のおすすめな探し方大手アルバイト情報サイトでパート仕事を探す
まずはアルバイト情報サイトを使った仕事探しをおすすめします。
大手なら求人情報が豊富なので、扶養控除内で働けるパートも見つけやすいからですね。
例えば以下のような求人サイトが、求人数豊富でおすすめです。
どちらも検索機能が充実しており「扶養控除内OK」と条件指定することで求人を絞り込めます。
求人検索は会員登録なしでも可能なので、一度チェックしてみてください。
扶養内で働けるパート仕事のおすすめな探し方主婦特化型の求人サイトで仕事を探す
主婦特化型の求人サイトでの仕事探しもおすすめです。
主婦に特化しているので、「時短勤務」「週2~3日勤務」「扶養内に調整可能」といったパート求人が豊富だからです。
ブランクがある方を歓迎する求人も多いので、「育児が落ち着いたから仕事を始めたい」という方にもおすすめできます。
主婦特化型の求人サイトには、「しゅふJOBパート」があります。
雇用形態にこだわらず「扶養範囲内なら契約社員や派遣社員でもOK」という方なら、「はたらこねっと」の「はたらこママ派遣」もおすすめです。
求人検索は会員登録なしでできるので、気になる方はぜひ一度チェックしてみてください。
扶養内で働けるパート仕事のおすすめな探し方求人ポータルサイトで仕事を探す
扶養控除内パートを探すなら「求人のポータルサイト」もおすすめです。
求人ポータルサイトとしては「indeed(インディード)」などが有名。
求人ポータルサイトでは、さまざまなサイトの求人情報をまとめて検索できて便利です。
キーワードで「扶養内」「扶養控除内」などを指定すれば、各サイトに掲載されている扶養控除内勤務OKの求人を表示してくれます。
「たくさんの求人を見比べたい」という方には、求人ポータルサイトはおすすめといえるでしょう。
調査結果から見えた扶養内のパートで働くのに向いている仕事
扶養内パートとして働きやすいのは「飲食店」「スーパー」「コンビニ」「コールセンター」「製造・軽作業」など、シフト制で働ける仕事です。
扶養内で働くパートスタッフが多い職場なら、雇用主側も勤務時間の調整に慣れています。
また「スタッフ数が多い職場」「家庭をもつスタッフが多い職場」なら、急な休みも気兼ねなくとれる雰囲気であることが多く、働きやすいでしょう。
収入アップを求めず時間に余裕をもって無理なく働きたい人には、扶養内パートが向いています。
反対に「本当はもっと稼ぎたいのに」と思いながら扶養内で働いている方は、時給が高い「派遣社員」「コールセンター」「介護」などの求人を探してみてはいかがでしょうか。
無理のない勤務日・勤務時間で、いわゆる「働き損」にならずに収入を増やせる求人が見つかるかもしれません。
また「働き損」になってしまう年収ゾーンであっても、勤務先で社会保険に加入できれば年金額が増えるなどのメリットはありますよ。
「働き損にならなければ扶養をはずれてもいい」「年金のことを考えて社会保険に加入したい」という人は、派遣社員を目指してみてはいかがでしょうか。
派遣社員は正社員に比べて入社のハードルが低く、パートより時給も高いですし、派遣会社の充実した福利厚生も受けられます。
派遣会社選びについては、「主婦・ママが選んだおすすめ派遣会社ランキング【325人の口コミから徹底調査】」の記事が参考になるのでチェックしてみてください。