
派遣社員として働くことに興味があり、登録する派遣会社を探している人も多いのではないでしょうか。
派遣会社は大手から地元密着型の中小まで数が多いので、どこに登録したらいいのか悩んでしまいますね。
そこで今回は実際に派遣会社を利用したことがある222人にアンケート調査を実施。
「おすすめしたい派遣会社」や「派遣会社を選ぶときのポイント」について聞きました。
- 調査対象:派遣会社を利用したことがある人
- 調査期間:2024年10月13日~27日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:222人(女性149人/男性73人)
- 回答者の年代:10代 1.4%/20代 41.3%/30代 27.5%/40代 19.4%/50代以上 10.4%
おすすめの派遣会社ランキング|大手・有名派遣が口コミ上位へ並ぶ結果となる
派遣会社を利用したことがある222人に、利用して良かったと思うおすすめの派遣会社を聞きました。
その結果、1位は「テンプスタッフ(14.0%)」、2位「スタッフサービス(12.2%)」、3位は「パソナ(10.8%)」でした。
以下、4位「リクルートスタッフィング(9.0%)」、同率5位「フルキャスト(7.2%)」「アデコ(7.2%)」の結果となっています。
大手・有名な派遣会社が上位に並ぶ結果となりました。
大手だと求人数が多く支店も全国にあるので、どこに住んでいてどんな仕事を探していても使いやすいからだと考えられます。
では各派遣会社のおすすめポイントについて、実際に寄せられた口コミもあわせて紹介します。
1位 テンプスタッフ
- 長期就業や正社員登用を目指せる仕事が多くあるからです(20代 男性)
- 何名かの営業さんに担当いただきましたが、皆さんとてもいい人ではずれがなかったです。就業中も定期的に面談があり、見守っていただいている安心感があります(30代 女性)
- 仕事をとぎれなく紹介してもらえる(40代 女性)
1位は「テンプスタッフ」でした。
テンプスタッフには、「大手なので求人数が豊富で担当者の対応もいい」という口コミが多数寄せられました。
求人数が豊富なら希望に合う求人を紹介してもらいやすく、契約期間が切れてもすぐ次の仕事を紹介してもらえる可能性も高くなります。
具体的な「いい対応」の内容としては「定期的に面談してくれる」「職場環境を教えてくれる」「交通費について、派遣先と交渉してくれた」などがありました。
またスタッフになればeラーニングなどのスキルアップ講座を受講できるのも、テンプスタッフの特徴です。
2位 スタッフサービス
- 案件が多いし、選考状況がWebで確認できる。営業担当者の印象もよかった(20代 女性)
- 求人数が多いから、条件に合う仕事が見つかりやすかった。4回とも2週間以内に仕事が決まった。接客経験しかない私にも未経験OKの事務職を紹介してくれて、自分の力では入社できない大手企業で働けたのもメリット(30代 男性)
- 育休を2度も取らせてくれたから(40代 女性)
2位は「スタッフサービス」でした。
個性的なCMで有名なスタッフサービスも、大手の派遣会社です。
求人数が豊富なので、就業開始までがスピーディーだという回答が多くなりました。
また支店も多いため、引っ越したあともスタッフサービスで仕事を探してもらえます。
各種申請や選考状況の確認などが効率化されているため、働き始めてから手続きのストレスが少ない点も、メリットとして挙げた人が複数いました。
3位 パソナ
- 研修が充実している。案件が豊富。営業担当者が他社に比べて親身になってくれた(20代 女性)
- 福利厚生が充実していて、誕生日や出産祝いなどのプレゼントを用意していただき、心遣いを嬉しく感じます。また無理やり働かそうという意思がないので、紹介された仕事を無理強いされることがありませんでした(30代 男性)
- 事務系職種や優良企業に強いです。大手企業とのパイプがあるので、大手企業で多くの経験を積めます(50代以上 女性)
3位は「パソナ」でした。
パソナも口コミで評価の高い大手派遣会社です。
とくに大手企業や事務系のお仕事を希望している際におすすめだという声が目立ちました。
一方で紹介される企業が優良企業であることから、「求められるスキルも高い」という口コミもあり、スキルに自信がある人におすすめだと言えます。
またパソナには「月給制(固定月給)」があるのも特徴で、「収入が安定しやすい」というメリットを挙げた人もいます。
4位 リクルートスタッフィング
- 大手派遣会社のため、派遣先企業の選択肢が多い。就業時間外でeラーニングなどが受けられる。営業担当とのコミュニケーションが取りやすく、就業先での困りごとなども話しやすい(20代 女性)
- 他の派遣会社ではフルリモートの仕事は見つけにくかったのですが、現状ではフルリモートの仕事もそこそこあります。担当の人も、比較的いい人が多かったです(30代 女性)
- 比較的働きやすい職場を紹介してもらえました(40代 男性)
4位は「リクルートスタッフィング」となりました。
リクルートスタッフィングはリクルートグループの一員であり、求人数が豊富。
そのため「選択肢が多く、仕事が決まるまでスピーディー」という口コミが多くなっています。
またアフターフォローをメリットとして挙げた人も多くなっていて、就業開始後に安心して働ける派遣会社だと言えます。
5位 アデコ
- 大手なだけあり、福利厚生や営業担当者からのサポートがしっかりしている。求人数も豊富(20代 女性)
- 今まで複数の派遣会社で就業しましたが、一番サポートが手厚いと感じました(30代 女性)
- 登録後のフォローがとても丁寧。職務経歴や自分のパーソナリティを入力する際に、ヒアリングをしながら、強み・弱みなどをフォローしてくれる(50代以上 女性)
同率5位は「アデコ」でした。
アデコはスイスに本拠地がある外資系の人材サービス企業です。
大手派遣会社であり、求人数が豊富で、大手・有名企業で働ける好条件の案件も多くなっています。
口コミでは、とくに「サポートの手厚さ」「コーディネーターの対応がいいこと」を挙げた人が目立ちました。
サポート体制の手厚い派遣会社で働きたい人にはおすすめです。
同率5位 フルキャスト
- 「単発」「短期」「長期」など、さまざまな期間の募集を出しているので、自分に必要な求人情報を得られる。給与の即日支払いシステムがあるのも便利だった(20代 女性)
- オンラインで登録できて、登録や面接のためにわざわざどこかに行く必要がない。インターネットから仕事を探して実際に働くまでの間もオンラインで完結できて、すごく簡単(30代 女性)
- 高時給の求人が多い(40代 男性)
「フルキャスト」が5位となりました。
フルキャストは製造系や軽作業ワークに強みをもつ派遣会社で、「単発」「短期」「即日勤務可能」の仕事も多く扱っています。
給料の日払いシステムもあるため、「すぐ働いて、早くお給料が欲しい」という人から支持を集めました。
オフィスワークもあるにはあるのですが数は少ないので、どちらかというと軽作業系ワークを探している人におすすめの派遣会社です。

派遣会社の利用が初めての人は、大手派遣会社を選ぶのは無難と言えるでしょう。
大手は求人数も多く、担当者の教育もしっかりしているからですね。
しかし、多くの人が利用している派遣会社だからといって、自分に合うとは限りません。
また、派遣会社によって「事務系職種が得意」「単発が得意」というように、扱っている求人に特徴があります。
まずは「どんな仕事をしたいのか」を考え、探している職種に合わせて派遣会社を選ぶようにしましょう。
派遣会社は一社に絞る必要はありません。
気になる派遣会社が数社あった時は、2~3社登録するといいでしょう。
【年代別で見る】派遣会社おすすめ口コミランキング
派遣会社選びは、年齢やライフスタイルによっても変わってくることがあります。
そこで「10代~20代」「30代」「40代以上」に分けて、各年代別に人気だった派遣会社をランキング形式でご紹介します。
自分に合った派遣会社を見つける参考にしてみてください。
10代~20代が選んだ派遣会社おすすめランキング
10代~20代のランキングでは、上位に入った項目は全体のランキングとほとんど変わりませんでした。
ただ「フルキャスト」と答えた人が全体のランキングよりやや多くなりました。
若い世代には学生さんなどもいるため、学校や勉強の合間などにやりたいときだけできる単発・短期の軽作業系ワークを希望する人も多いと推測できます。
また1位のテンプスタッフについては「初めて派遣会社を利用して不安だったが、サポートが丁寧で安心できた」など、サポートを評価する声が多くなっています。
若い世代では派遣会社を使ったことがない人も多いため、安心感が大切になるとわかりました。
30代が選んだ派遣会社おすすめランキング
30代のランキングでは、フルキャストが上位に入らず、事務系に強い派遣会社が多くランクインしました。
単発・短期のお仕事ではなく、ある程度腰を据えて働ける「事務系職種に強い派遣会社」を選ぶ人が多いと推測できます。
1位のスタッフサービスについては「産休育休が取れる」「全国展開なので引っ越してからもお世話になれた」などの声があり、ライフステージの変化に対応できる点も高評価だとわかりました。
30代以降は「結婚に伴う引っ越し」「出産にともなう休業」などが起こるからですね。
40代以上が選んだ派遣会社おすすめランキング
40代のランキングでは、テンプスタッフが5位でリクルートスタッフィングが1位に。
とくにリクルートスタッフィングのスピード感と時給を評価した人が多くなりました。
具体的には「仕事を次々紹介してくれる」「時給が高く、派遣社員への還元が大きいと感じる」「時給アップ交渉をしてくれる」などの回答がありました。
年齢と経験を重ねている40代以上の人は、「仕事が途切れない安心感」と「スキルに見合った時給」を重視するとわかります。

ライフステージに合わせて派遣会社を選ぶのもおすすめです。
年代によって派遣会社や仕事に求めるものが違うからですね。
例えば、次のように派遣会社を選ぶ方法もあります。
- 20代:社会人経験が少ないため「未経験OK」、正社員になりたいのなら「紹介予定派遣」の求人が多い派遣会社を選ぶ。
- 30代:スキルアップができたり、産前産後休暇が取れるなど、福利厚生が充実した派遣会社を選ぶ。
- 40代:途切れずに仕事を紹介してくれる、扶養内勤務ができるなど、柔軟に働ける派遣会社を選ぶ。
何を重視するかはそれぞれ違ってきます。
自分は何を重視するかを考え、自分の希望する働き方ができる派遣会社を選ぶようにしましょう。
派遣会社を利用するメリットランキング
派遣会社を利用したことがある222人に聞いた「派遣会社を利用するメリット」のランキング1位は「転職活動が楽になる(55.9%)」でした。
以下、かなり差が開いて2位「自分の都合で働ける(12.2%)」、3位「就業中のサポートがある(10.8%)」、4位「さまざまな仕事を経験できる(9.0%)」、5位「仕事を辞めやすい(7.7%)」の結果でした。
派遣会社を利用することで、転職活動や退職が楽になり、仕事を変えやすいと考えている人が多くなりました。
仕事を変えやすいからこそ、さまざまな職場で違う職種を経験することが可能になります。
1位 転職活動が楽になる
- 仕事が決まりやすい。がっつり面接対策しなくてよい(20代 女性)
- 経験が不足していても、仕事のチャンスを得やすい(30代 男性)
- 自分の条件に近い求人を紹介してもらえることです。条件が合わなければ別の求人を紹介してもらえるため、自分で転職活動する手間を省けます(40代 女性)
1位は「転職活動が楽になる」でした。
派遣会社経由で就業する場合には、派遣先企業による採用面接はありません。
未経験OKの求人や大手企業の求人も多いため、未経験から大手企業で働くことも可能です。
また仕事探し自体も、派遣会社からの提案を待てばいいので、自分で探す必要はありません。
そのため就業開始までのハードルが下がり、転職活動が楽になります。
2位 自分の都合で働ける
- メリットは自分の好きなときにできることだと思う。私は学生なので、試験期間はバイトがなかなかできなくて、長期のバイトだと雇ってもらえないことがある。そのため派遣で働くことは気に入っている(10代 女性)
- その時々に合わせた働き方ができる就職先を紹介してもらえるから(20代 女性)
- 自分の生活に合わせて、仕事を自由に選択できる(40代 男性)
2位は「自分の都合で働ける」でした。
派遣会社経由の仕事では、単発や短期の仕事も多くあります。
そのため学生であれば「長期休暇中だけ働く」といったことが可能ですし、「社会人の副業」や「次の仕事が見つかるまでのつなぎ」にもできます。
さらに「時短勤務」「残業ほとんどなし」といった案件もあるため、プライベートを優先しながら働くことも可能です。
例えば「子どもが小さいうちは時短の派遣で働き、子どもが大きくなったらフルタイム勤務や正社員雇用を目指す」など、ライフステージに合わせた働き方ができます。
3位 就業中のサポートがある
- こまめに仕事場を訪問してくれるから安心(20代 男性)
- 派遣先に直接言いにくい話があるとき、間に入ってくれるので助かる。仕事について何でも相談できていい(30代 女性)
- 何かあったときに守ってもらえる。派遣先について不満があれば、代弁してもらえる(50代以上 女性)
3位は「就業中のサポートがある」でした。
派遣会社に所属していると、派遣先で困ったことがあったときに、派遣会社の担当者に相談できます。
例えば「契約にない仕事をやるよう言われた」「人間関係に困っている」といった相談が可能です。
派遣社員という立場だと、「派遣先の正社員に直接意見するのはハードルが高い」と遠慮してしまう人もいるので、派遣会社によるサポートはかなり心強いとわかりました。
4位 さまざまな仕事を経験できる
- 未経験の職種や業界を体験し、視野を広げられる(20代 男性)
- いろんな仕事を紹介してもらえるので、視野が広がる(30代 女性)
- 知らなかった企業の仕事を紹介していただけて、引き出しが増える(30代 男性)
4位は「さまざまな仕事を経験できる」となりました。
派遣会社経由の就職だと、就業開始のハードルが低いため、未経験職種・業界を含めてさまざまな仕事を経験可能です。
働く本人からしても、「正社員で未経験職種に挑戦するのは怖いけど、派遣社員なら期限も決まっているし、ちょっと挑戦してみようかな」と思いやすいと考えられます。
さまざまな職種や会社で仕事することによって、視野が広がったりスキルが身についたりすると期待できます。
5位 仕事を辞めやすい
- 自分に合わなければ職場を変えられる(20代 女性)
- 期間が決まってるので、気に入らなければ自分で「更新しない」という選択ができる(30代 男性)
- もし合わないと思ったら短期で契約終了でき、次の就業先へ行ける。そのため自分に合っているか確認できる(30代 女性)
「仕事を辞めやすい」が5位となりました。
派遣社員の場合は、「1ヶ月ごと」「半年ごと」などで契約更新がやってくるので、自分に合わない職場・仕事だと思えば、契約を更新せずに辞められます。
契約更新をしないだけで辞められるので、「嫌な職場を辞めやすいのはメリット」と考える人も多くなりました。
辞めたあとに派遣会社から別の仕事を紹介してもらうこともできるので、「すぐに次がある」と思うことでも、退職のハードルは下がります。

上記のランキングは、実際に派遣で働いたことのある人があげたメリットなので、説得力がありますよね。
派遣会社の利用を考えている人は、まず自分は仕事に何を求めているかを考えてみましょう。
何を求めているかがわかれば、派遣を利用するメリットが活かせるからです。
例えば、「同じ職場で長く働きたい」という人には、3年を超えて同じ職場で働けない派遣は向いていません。
一方で、「残業なしで働きたい」「プライベートを充実させたい」という人には、派遣会社を利用する働き方はおすすめです。
どうすれば自分の希望に近い働き方ができるのかを考え、派遣会社を利用するか決めるようにしましょう。
派遣会社を利用するデメリットランキング
「派遣会社を利用するデメリット」のランキング1位は「雇用が不安定(23.4%)」でした。
2位「合わない仕事を紹介される(19.4%)」と答えた人も多くなりました。
以下、同率3位「連絡が多く面倒(7.7%)」「福利厚生が手薄(7.7%)」、5位「ボーナスがない(6.3%)」の結果です。
雇用の不安定さは、派遣社員として働くことそのものに関するデメリットです。
一方「求人のミスマッチ」「連絡の多さ」「待遇の悪さ」など、派遣会社を上手に選ぶことで軽減できるデメリットも多く挙がりました。
1位 雇用が不安定
- 派遣期間が限られている。契約が切られることを意識しておく必要がある(30代 男性)
- 期間が最長3年までと決まっていると、継続して働きたくても無理(40代 女性)
- 仕事の案件が来ないときは収入が減ってしまうので、定職に就いて働くことに比べたら、コンスタントに稼げないことです(50代以上 女性)
1位は「雇用が不安定」でした。
派遣社員が同じ職場で働けるのは、原則として最長3年までです。
そのため気に入った仕事であっても、3年経つと別の仕事に変わる必要があり、仕事が安定しません。
また自分は継続して働きたくても、派遣元の都合で3年を待たずに契約を打ち切られることもあります。
契約が終わったあと、すぐ別の仕事を派遣会社から紹介してもらえればいいですが、時期によっては派遣会社から仕事を紹介してもらえないことも。
そのため雇用が安定しないことへの不安を抱えている人も多くなりました。
「辞めやすい」というメリットの裏には、雇用の不安定さというデメリットもあります。
2位 合わない仕事を紹介される
- 必ずしも働きたい企業で働けるわけではない。派遣先が見つからないと、別の職種を提案されることがある(20代 男性)
- 希望・要望を聞いてくれない担当者にあたることがあります。事務を希望してもコールセンター系ばかり紹介されるなど(30代 女性)
- 自分の条件に合う求人ではなく、派遣会社がプッシュする求人を紹介されることがあります(40代 女性)
2位は「合わない仕事を紹介される」でした。
派遣会社には、常にスタッフの希望に沿う求人が揃っているわけではなく、時期によっては求人が少ないこともあります。
また人気のある求人は派遣会社内での競争率が高く、よりスキルや経験の豊富な人に割り当てられてしまいます。
そのため時期や保有しているスキル・経験によっては、希望の仕事をなかなか紹介してもらえないこともあるとわかりました。
求人とのミスマッチが「担当者の対応の悪さ」に起因するものであれば、派遣会社を変えることで解消できる可能性もあります。
3位 連絡が多く面倒
- 求人紹介の連絡が多すぎる(20代 女性)
- 休むときは、派遣会社と派遣先の両方に連絡すること(20代 女性)
- 他の会社に転職してからも、結構しつこく仕事紹介のメールや近況確認の電話がありました。「仕事を探していない」とはっきり意思表示をしないと、連日連絡がきます(40代 男性)
3位は「連絡が多く面倒」でした。
とくに「登録したら、求人紹介の連絡がとても多くて大変」「契約終了後、もう派遣で働く気がないのに求人提案の連絡が来る」という回答が多くなりました。
連絡の頻度を変えたり、不要な連絡を止めてもらったりしたい場合には、派遣会社の担当者に希望を伝えればOKです。
なお就業中については「休みの連絡を派遣会社と派遣先にする必要があって面倒だった」という声が聞かれました。
派遣会社に所属しながら派遣先企業で働いているので、2カ所に連絡が必要となります。
同率3位 福利厚生が手薄
- 正社員ほどの福利厚生がない(20代 男性)
- 福利厚生面など、就業先の正社員と同じ扱いは受けられない(30代 女性)
- 派遣先の会社が独自の社員サービスを行っている場合、派遣社員だと利用できないこともあると思います(30代 女性)
もうひとつの3位は「福利厚生が手薄」となりました。
福利厚生には法律で決められた法定福利と、会社が独自に実施している法定外福利があります。
「各種の社会保険」「有給休暇」「産休・育休」などの法定福利については、一定の条件を満たせば派遣社員でも受けられます。
ただ派遣社員は派遣会社の福利厚生を受けるので、派遣先の社員とは受けられる福利厚生が異なるのも事実。
さらに法定外福利については派遣会社によって充実度が異なっているため、派遣先の正社員が受けている福利厚生と比べて物足りなさを感じる人も多いようです。
最近では法定外福利の充実度を売りにしている派遣会社も多いので、福利厚生を重視するなら、複数の派遣会社を比較してみましょう。
5位 ボーナスがない
- 基本的にはボーナスがない(20代 女性)
- 正社員ではないので昇給や賞与が期待できないところ(20代 男性)
- 賞与がないこと(30代 女性)
「ボーナスがない」が5位となりました。
派遣社員には、ボーナスは支給されないのが一般的です。
「時給にボーナスを含む」という考え方で、一般的なアルバイトなどよりも時給が高めに設定されているからですね。
ただし一定の条件を満たしていればボーナスが出る派遣会社や派遣先もありますので、求人内容でよく確認してみましょう。
例えば派遣会社の正社員になり派遣先企業で働く常用型派遣(無期雇用派遣)の場合は、比較的ボーナスありの求人が多くなっています。

上記のデメリットランキングを見て、何が一番デメリットに感じるかを考えてみてください。
派遣会社が原因なものと、派遣としての働き方が原因のものがあるからです。
2・3・4位に入ったデメリットは、派遣会社や担当者が原因であり、派遣会社を変えれば改善される可能性があるものです。
一方で、1・5位に入った「雇用が不安定」「ボーナスがない」などのデメリットは、派遣の仕組みに関わるものであり、派遣社員として働く以上改善は難しいでしょう。
派遣社員の働き方や仕組みにデメリットを感じたときは、派遣会社の利用を考える時期。
派遣社員として働いている間に資格を取るなど、正社員として働ける準備を始めてみてもいいかもしれません。
派遣社員をやめ正社員として働くことを考えたなら、転職エージェントの利用もおすすめですよ。
派遣会社を選ぶ際に大切なポイントランキング
「派遣会社を選ぶ際のポイントは何か?」という問いへのランキング1位は、「やりたい仕事がある(31.1%)」と答えた人が最も多くなりました。
次ぐ2位は「求人数が豊富(29.3%)」、3位は「担当者の対応がいい(25.7%)」となっています。
派遣会社の選び方によって軽減できるデメリットである「求人のミスマッチ」「待遇の悪さ」に対応した項目が上位にランクイン。
例えば求人が豊富でやりたい職種も多ければミスマッチは少なくなると期待できますし、時給が高ければ待遇の悪さをカバーできます。
1位 やりたい仕事がある
- 自分が勤めたい分野の職に特化しているか調べる(20代 女性)
- 自分が働きたい業界や職種に強い派遣会社を選ぶ(30代 男性)
- やりたい業種を取り扱っている(40代 女性)
1位は「やりたい仕事がある」でした。
派遣会社にはそれぞれ強みがあります。
「事務系に強い」「技術職に強い」「軽作業や単発ワークに強い」「大手企業に強い」などですね。
事務系職種に就きたいのに軽作業ワークに強い派遣会社に登録すると、希望に合う求人を紹介してもらえる可能性は低くなります。
そのためやりたい職種や業界を扱っている派遣会社なのかを重視して選ぶ人が多くなりました。
やりたい職種がきっちり決まっているなら、職種特化型の派遣会社を選ぶのもおすすめです。
2位 求人数が豊富
- 特定の職種を希望する場合以外は、求人数の多い大手に登録するのがよい(20代 女性)
- 多くの求人をもっているところ。複数の派遣会社に登録をしたくないので、大手1社のみ登録のほうが、ストレスが少ないように思います(30代 女性)
- 仕事の豊富さ(40代 男性)
2位は「求人数が豊富」でした。
求人数が豊富であれば、希望に合う求人を探しやすくなります。
また求人数が多いと、契約期間が終わったとき、スムーズに次の仕事を提案してもらえる可能性も高くなります。
「求人数が豊富なので大手派遣会社を選ぶ」という人も多くなりました。
3位 担当者の対応がいい
- 親身になってくれる営業担当者がいる派遣会社を選びます。「いいことしか言わない」「フォローが少ない」だと大事な相談をしづらいですし、交渉を依頼するときも私の立場をわかってくださる人になら信頼して任せられるからです(20代 女性)
- 仕事を紹介してくださるスタッフさんや営業さんが、自分と合うかどうかです(30代 女性)
- 複数の派遣会社に登録し、担当者の相性を見極めるといいと思います。正直求人は複数の派遣会社で重なっていることも多いので、求人の質に大差はないような気がします(40代 男性)
3位は「担当者の対応がいい」でした。
派遣会社の担当者とは、仕事探しのときだけではなく、就業開始後も関わることになります。
そのため「担当者が信頼できるか」「相談しやすい担当者か」を重視する人も多くなりました。
就業後のサポートや安心感を見据えた場合に、重視しておきたい項目だと言えます。
4位 時給が高い
- 時給や福利厚生重視(20代 女性)
- 時給の高いところを選ぶ(30代 女性)
- 時給が高く、できれば交通費まで支給される(50代以上 男性)
4位は「時給が高い」となりました。
毎日働いて得られる時給が十分に高ければ、「ボーナスがない」「退職金がない」といったデメリットをある程度カバーできます。
また「交通費支給あり」というコメントも。
福利厚生が充実している求人・派遣会社を選べば、支出が減ったり節税になったりします。
例えば工場系の派遣では寮がついていることもあり、住宅費の節約につながります。
派遣社員の求人を選ぶ際には、「収入が多くなるか」と「支出が少なくなるか」をチェックするといいですね。
5位 評判がいい
- レビューを見るようにしている(20代 女性)
- 派遣会社を利用している友人の話や口コミを見て、事前にいい点や悪い点を理解したうえで利用するべき(20代 女性)
- 評判のよさと口コミのよさがポイントです(30代 男性)
「評判がいい」が5位です
派遣会社に登録する前には、ネットの口コミなどをチェックしている人も多くなりました。
ただしネットの口コミは意見が偏っていたり、古かったりする可能性があります。
担当者の対応なども、対応してくれる担当者によってかなり異なるので、ひとりの口コミがすべてのケースに当てはまるわけではありません。
口コミを鵜呑みにしないためには、自分で登録会などに行ってみて、担当者や派遣会社の雰囲気を感じることが重要です。

仕事を探す際に何を重視するかを考えてみましょう。
例えば、時給を重視する人であれば、時給の高い派遣会社を選ぶようにするといった感じです。
同じ職場・仕事内容でも派遣会社によって時給が違うこともあるからです。
同じように、やりたい仕事があるなら、希望する仕事の求人数が多い派遣会社を選ぶようにしましょう。
時給の相場や求人数、得意としている職種などは、派遣会社によって違います。
それぞれの派遣会社を自分でリサーチすることも大切です。
実際に求人検索をしてみたり、口コミなどを調べ、自分が利用しやすい派遣会社を選ぶようにしましょう。
岡 佳伸氏から派遣会社で働きたい方へ向けてのアドバイス
当記事の総括として、当記事の監修者、岡 佳伸氏から派遣会社へ働きたい方へ向けたアドバイスのコメントをいただいているので参考にしてみてください。

人材派遣会社を選択する時に、厚生労働省が運営する人材サービス綜合サイトを活用する方法があります。
派遣料金の平均額や派遣労働者の平均賃金額やマージン率、同一労働同一賃金の労使協定等、労働者派遣法で定められた公表事項が掲載されています。
原則、全ての派遣会社に掲載義務があるので是非、確認してみて下さい。また、人材派遣会社を活用する際に、担当のコーディネーターやキャリアカウンセラーの相性が合うかも重要なポイントです。
面談を重ねて信頼できる人を見つけて行きましょう。
■監修者プロフィール
社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表
特定社会保険労務士 岡 佳伸氏
大手人材派遣会社、自動車部品メーカーなどで人事労務を担当した後に、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険給付業務、助成金関連業務に携わる。
現在は開業社会保険労務士として活躍。各種講演会(東京商工会議所練馬支部、中央支部、公益社団法人東京ビルメンテナンス協会)講師及び各種WEB記事執筆、日経新聞、読売新聞、女性セブン等に取材記事掲載、NHKあさイチ2020年12月21日、2021年3月10日にTVスタジオ出演。
特定社会保険労務士、キャリアコンサルタント、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士